レーザー脱毛施術の「毛量調整」。その仕組みを徹底解説！

「毛根組織の破壊」が可能だから「毛量調整」も可能に？？

当院のような医療機関（クリニック）でのレーザー脱毛施術では、一般的に「永久脱毛」と呼ばれる持続する脱毛効果が提供されています。医療機関の脱毛施術は、概して「痛みは伴うけれども脱毛効果が高い」というイメージがあると思います。

このイメージを持っている患者さまの中には、時として「どうして強力なレーザーを照射しているはずなのに毛量調整もできるの？」と疑問を持つ場合もあると思います。当コラムをご覧いただければそのような疑問がスッキリと解消できます。

「永久脱毛」という脱毛効果なのにどうして毛量調整ができるの？

毛量調整のプロセスを説明するに当たり、まず当院が患者さまにご紹介してるレーザー脱毛に必要となる施術回数の目安をご確認ください。

レーザー脱毛施術の施術回数の目安

この表からお気づきいただきたいことは、脱毛施術は「1回ではツルツルになれない」という事実です。なぜかと言うと、一般的に私たちの肌表面に今見えているムダ毛は、その人が持っているムダ毛総量（潜在的なものも含む）を考えた場合、20%程度に過ぎないためです。つまり、常に「生えては抜けて…」を繰り返しながら今の見た目の毛量が保たれているということになります。

回の施術でムダ毛の抑制効果が見込めるのは多くても2割程度

このようなヘアサイクルの影響を受け、患者さまが実際にレーザー照射を受けた場合には、どのように頑張っても患者さまが潜在的に有しているムダ毛の総量に対して2割程度のムダ毛にしか熱ダメージを与えることができません。レーザー照射後は、毛穴の中にムダ毛を有している毛根組織にのみ熱ダメージが浸透し、ムダ毛の生成能力が奪われると同時にそのムダ毛が抜け落ちていきます（1～2週間程度経過後）。ところが、これはあくまでもその時に生えていた2割程度のムダ毛に対して発毛機能を取り除いたということに過ぎません。

もちろん、この施術によってしばらくは無毛期間が訪れますが、時間経過と共にまた患者さまのヘアサイクルによって、再び別の毛穴から残りの8割のいくらかのムダ毛が成長していきます。この結果、3ヶ月程度経過したときには概ね元の毛量に戻っているということになります。

2～3ヶ月ごとの同部位施術によって潜在的な毛量自体を減らしている

私たちが患者さまに「2～3ヶ月ごとの同部位施術」をご案内しているのは、実は潜在的な毛量を少しずつ減らしていってゼロに近づけようという意図があるためです（ツルツルを目指す場合）。施術を重ねるごとに、術後生えてくるムダ毛の量は潜在的な総毛量の減少によって少なくなっていきますので、同部位施術を重ねれば重ねるほどツルツルに近づいていくということになるのです。

術後に毛が生えてきていたのは別の毛穴からだった！？

一般的には、「術後しばらくするとまたムダ毛が再生される」という表現が当たり前のように使われていますが、実は毛を再生しているのはレーザー照射を受けて破壊された毛根組織ではなく、その時にただ毛を生やしていなかった毛穴から毛が生えてきているだけなのです。

このため、潜在的な毛量をどの程度残すのかを施術回数によってコントロールしていけば、患者さまの肌表面に生えてくるムダ毛のボリューム（毛量）をちょうど良いレベルに調整することも可能になっていきます。

既にご案内したように、レーザー脱毛施術では毎回肌表面に見えている2割程度のムダ毛に対して毛根組織を破壊していくということになります。ツルツルを目指す場合であれば、一般的に5～8回程度の同部位施術で潜在的な発毛能力を全て奪い去るという方向で調整します。

以下の表で毛量変化を確認していただくと、施術回数を重ねるごとにどの程度のムダ毛が残存しているのかがイメージしやすくなり、毛量調整のあり方も理解しやすくなると思います。