ジュエルクリニック恵比寿

レーザー脱毛器と光脱毛器の違いを知る

医師監修について:当院ウェブサイト(ホームページ)コンテンツは当院の美容皮膚科医、日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、アラガン・ジャパン社ボトックス注入指導医など様々な分野の専門医師による監修のもと運営しております。

エステサロンや家庭用脱毛器にも採用されている脱毛器に「IPL脱毛器」というものがあります。これは、インテンス・パルス・ライトという「光」を使用したもので、その施術は光脱毛やフラッシュ脱毛と言われたりします。

医療機関が採用している「レーザー脱毛器」のレーザーも本質的なところは「光」ですので、ここでは一般的な「光」と「レーザー」の性質の違いについて掘り下げ、「レーザー脱毛器」と「光脱毛器(IPL脱毛器)」の効果の差について考えてみたいと思います。

まずは「光」が何かを考えてみましょう

そもそも「光」とは?

私たちが一般的に「光」という場合、それは無数の波長(光の長さ)が混ざりあった電磁波の集まりのことを意味しています。自然光のように複数の波長が複合的に混ざり合っている場合、その色は白に近い色として認識されるため、ただ光と聞くと私たちは無色のものを連想します。

人の目が捉えることのできる波長には限界があり、その範囲は380~780nm(ナノメートル)程度と言われています。この可視範囲にあるものを「可視光線」と言い、以下の図のように、それぞれの波長のものがそれぞれの色として私たちに認識されます。

可視光線(目に見える波長の光)

水色黄色
波長380〜430nm430〜460nm460〜500nm500〜570nm570〜590nm590〜610nm610〜780nm

※色によって波長が決まっているのではなく、各波長の中でおおよその色が認識されています

脱毛とは少し話が逸れてしまいますが、たとえば「りんご」は青緑(シアン)の色を吸収する傾向が強く、それ以外の色を反射する傾向が強いため、私たちの目には「赤」に映ります。全ての波長を吸収する傾向にある物は「黒」となり、全てを反射する傾向が強い場合は「白」色として私たちに認識されます。

人の目に見えない波長のものも存在します

自然界には人の目に見えない範囲の「短い波長のもの」や「長い波長のもの」も存在しています。可視範囲よりも短い波長のものに「X線」や「紫外線」があり、目に見えない長い波長で届いているものには「赤外線」や「電波」があります。

名称X線紫外線可視光線赤外線電波
波長
1nm
1nm~
380nm
380nm~
780nm
780~
100μm
100μm

イメージが湧くとは思いますが、目に見えないから効果がないわけではなく、目に見えない波長で届く電磁波も人体やお肌に様々な影響を及ぼします。傾向としては、波長が短いものほどエネルギーが強く、物質を通過しやすくなります。レントゲン(X線)を頻繁に受けてはならないのはこのためです。

次に「レーザー」について考えてみましょう

「レーザー」とは単一の波長だけを取り出し増幅させたもの

LASERという語は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationという頭文字を取り出して作られた言葉で、翻訳すると「放射線の誘導放出によって増幅された光」という意味になります。これを平たく言うと、「単一の波長のみを取り出して増幅させた光」ということになります。

単一波長の意義と効果

特定のモノへの高い吸収力や規則正しい屈折傾向が備わる
「単一の波長」を取り出すことにどのような意味があるのかというと、その光に特定のモノのみに吸収されやすい傾向や、特定の性質に対して規則正しく屈折させる特性を持たせることができます。

医療脱毛に置き換えた場合、メラニン色素に効果的に吸収されるレーザー光を放射することで、他の組織を傷つけること無く「狙った皮膚組織に熱を浸透させる」という施術が可能になります。東洋人の毛にはメラニン色素が多く含まれているため、メラニン色素に効果的に吸収されるレーザー光を発すると、うまく毛根組織を破壊することができるということになります。

規則正しい放射によって強い威力(エネルギー)が生まれる

レーザー光は幅のある波長ではなく、波長が一定で単一方向へ規則的に向かうという性質があります。自然光のような無数の波長の混ざりあった状態では、その光が向かう方向や屈折する角度も異なるために、光そのもののエネルギーは拡散します。レーザー光は単一波長であるためにその位相も規則正しく、重なれば重なるほどに強いエネルギーが生まれます。

IPL脱毛の光はどうなっているの?

IPLは様々な波長の組み合わせ

エステサロンで使用されているIPL脱毛(光脱毛やフラッシュ脱毛とも言う)は、インテンス・パルス・ライトと呼ばれる光を使用しており、単一の波長ではない複合的な光が照射されるものになります。IPLの波長は、500nm~1,200nmと言われており、様々なタイプの光を同時にお肌に照射するものになります。照射部位のメラニン色素に働くように光を照射しているとは言え、メラニン色素に効果的に吸収される波長の光を単一で照射しているわけではありません。

幅のある波長が意味するのは「万能性」ではなく「効果の低さ」

波長の異なる光を同時に照射しているということは、光の拡散性が否定できず、光エネルギーのメラニン色素への働きかけが必然的に弱くなってしまいます。たとえば、部屋で蛍光灯を付けた場合、蛍光灯が発する様々な波長の光が部屋のあらゆる方向に向かい、電球の下だけではなく部屋全体を明るくさせます。

光とはこのような「拡散性」がありますので、一方向に強いエネルギーを与えることはできず、そのエネルギーが対象範囲に広く緩やかに届くということになります。エステサロンで光脱毛を何度も実施された方もおられると思いますが、このような光の拡散性は最終的に脱毛効果を低いものにしてしまうという事実を否めません。

そもそもエステサロンでは法的に永久脱毛が禁止されています

エステサロンの「優しい光脱毛」を複数回実施することによって、その脱毛効果の弱さを補えるのであれば良いのですが、もともとエステサロンでは永久脱毛を実施できません。お手入れの必要の感じさせない持続的な脱毛効果という施術には、十分なレーザー出力が必要であり、エステサロンはこの出力を出すことが法的に禁じられているのです。

この結果、ゴールのない施術を何度も何度も繰り返していくということになります。「IPL脱毛では全く効果が出ない」とまでは言えませんが、「光」と「レーザー」の性質の違いや、取り扱える出力の法的範囲を考えれば、どちらが高い効果を得られるものであるかは明白になります。

各医療用レーザー脱毛器が備える波長とレーザーの傾向

代表的な医療用レーザー脱毛器は、それぞれ次のような単一波長を有し、その波長の違いによってメラニン色素への反応具合や皮膚組織への深達度が異なります。

レーザー脱毛器波長メラニン色素への反応皮膚組織への深達度
アレキサンドライトレーザー755nm☆☆☆☆☆☆☆☆
ダイオードレーザー800nm / 810nm☆☆☆☆☆☆☆☆
AGレーザー1,064nm☆☆☆☆☆☆☆☆

※ちなみにIPL脱毛器は、500nm~1,200nmという幅のある波長を有しています

機器によってもそれぞれ波長が異なりますが、基本的に単一の波長で一方向に規則正しくレーザー光が飛びますので、IPL脱毛器とは異なり、反応すべきものに反応させやすくなります。必要な箇所に必要なエネルギーを届ける事ができますので、現れる効果も高いものが期待できます。

部位によって毛根の深さや毛の太さが異なるため使い分けが正解

毛がしっかりしていて太いものは、メラニン色素も多く含んでいます。このため、「アレキサンドライトレーザー」を照射すると、効果的にその太い毛の毛根を破壊できます。一方産毛などではメラニン色素の含有率が低く、メラニンへの反応が優秀なレーザー光では効果の高い脱毛を狙いにくい場合もあります。

また、毛根が深い位置にあるVIO脱毛などでは、ただ毛が太いからと言ってメラニン色素への吸収率が高い「アレキサンドライトレーザー」だけが正しい選択になるとは限りません。深い位置の毛根に熱を伝えやすい「YAGレーザー」を併用しながら施術を行なう方が、トータルでは高い効果を実現させられる場合もあります。

脱毛機器や波長の選択は、医療従事者にお任せ

どのような部位にどのような機器(レーザー波長)が適切であるかは、施術する部位だけでなくその患者さまの毛質や毛の量、肌質などによっても異なってきます。このため、当院では専門的で高度な知識を有する医療従事者(医師や看護師)が各患者さまの状態を見極めた脱毛施術を実施させていただいております。

このようなきめ細かな調整をすることで、ようやく持続的にお手入れの必要性を感じさせないお肌へと近づけていくことが可能になります。様々な光の波長を同時に照射させるといった光脱毛(フラッシュ脱毛)では、光エネルギーが拡散しやすく脱毛効果も弱まってしまいますので、現実的に永久脱毛を狙うことは不可能だと言えます。

渋谷(恵比寿)周辺で「レーザー脱毛」の効果を実感したい方へ

冷却ガスや麻酔処置で「痛み」も緩和

レーザーの性質や光の特性を知っていただくと、光脱毛とレーザー脱毛の効果の違いにも素直にご納得いただけると思います。患者さまによっては、レーザー脱毛器の強い効果が生み出す「痛み」についてご心配される方もおられますが、痛みに対しては「冷却ガスの噴射」や医療機関として実施できる麻酔処置などもございます。このため、100%痛みを取り除けるわけではないまでも、感じるレベルを「我慢できる痛み」へと緩和させることが可能です。

お肌が敏感な方も医師のカウンセリングがあるので安心

お肌が敏感な方もおられると思います。ジュエルクリニックは医療機関ですので、常に医師が常駐しており、適切なカウンセリングのもとに施術を実施させていただいております。もしもの場合についても、医師がその場で適切に対処できる環境ですので、医療処置ができないエステサロンとは異なりご安心いただけます。

料金はトータルで見るとリーズナブル

医療脱毛は相対的に脱毛施術が高いと言われています。単発の施術で比較するとその価格差は否めませんが、ゴールのない施術を延々と繰り返すエステ脱毛と比較すると、総合的には安上がりになることも少なくありません。当院でも「エステではなく初めから医療レーザーにしておけば良かった」というお声を度々頂戴しております。

年間パスポートもご用意させていただいておりますので、着実にゴールに向けて効果の高い施術を積み上げていただくことができます。渋谷周辺や恵比寿駅近郊にお住まいの方、また通勤や通学でお近くに訪れることが多い方、ぜひジュエルクリニック恵比寿で効果のあるレーザー脱毛をお試しください。